田んぼ

昨日、先祖伝来の「田んぼ」を2枚売りました。

散々迷ったのですが、決断した理由は「多くの方々の役に立つ」ことでした。それならばと腹を決めました。

父は祖父から受け継いだ田んぼを20年の納税猶予をして耕作を続けました。それを私が受け継ぎ「この地、中川で一番きれいな田んぼにしよう」と意気込んで管理をしてきました。機械が必要な荒起こし・代掻き・田植え・溝切り・稲刈りなどは農協のアグリサポートに頼んで、私は水の管理・雑草取り・肥料散布などの作業を中心に行っていました。機械での田植え後に苗が抜けているところを手で植えたり、街で呑んだ後の深夜に懐中電灯を持って田んぼの水を見に行ったり、真夏の炎天下に長袖・長靴・帽子にサングラス姿でぬかるんだ田んぼに入って雑草取りをしたり・・・。決して楽な作業ではありませんでしたが、田植えから稲刈りまで、苗が風にそよぎ、緑の絨毯になってすくすくと育ち、やがて黄金色の絨毯へと変わり、頭(こうべ)を垂れる稲穂の姿になるまで楽しみました。手をかけたら、その分返ってくるのが田んぼの魅力です。

耕作する田んぼは無くなりましたが、この中川には農家の集まりの生産組合があります。いざらい・草刈り・用水の草上げなどを行っていますが、これには今まで通り参加するつもりです。近年は高齢化と担い手不足に悩まされていますが、地域農家の一員として、汗をかいて農業を守って行きたいと考えています。

余談ですが、毎年新米が取れるとすぐに分家や親戚に配ります。分家は美味しい!と秋の味覚を楽しんでいますが、本家は古米が無くなるまで食べられません。本家の我が家は年末にやっと新米の味を噛みしめます。