先日、和倉温泉の旅館へ地震のお見舞いに行ってきました。年に数回ですが、その旅館で楽しいひと時を過ごさせていただいている関係から、今回の震災が他人事とは思えず行ってきた次第です。地震から二ヶ月も経つと、七尾までの道は普段と変わらない車の量でスムーズに行くことができました。しかし、和倉温泉駅前の道を右に曲がってからは状況が一変。車の数もめっきり減り、ひっそりとした温泉街になっていました。どの旅館も外壁のひび割れやガラスの破損など被災の跡を残し、小雪の舞う中、寒さが一層身に染みました。
「せっかく来たんだから中を見ていってください」と言われ、ヘルメットを被り懐中電灯を照らしながら一階を見せてもらいました。エレベーターホールの吹き抜けから落下したタイルが散乱し、厚いガラスが割れ、水(海水)の溜まっているところもありました。あの賑やかで活気のあるホールやお土産通りが、薄暗くてモノが散乱している光景になっているのを見て、目をそらしたくなりました。
1月1日は満館だったそうです。そのお客さんを誰ひとりケガさせずに避難させることができた。ここにも一流といわれる訳があると思います。また避難所での炊き出し、毛布や布団の提供もいち早く行っておられ、さすが一流旅館だと感じました。事実を淡々と受け止め真っ直ぐに復興への道を歩んで行かれるものと信じています。楽しく笑顔あふれる温泉街が再開することを信じ、その時はまた大いに利用させてもらいたいと思っています。